桜新町の結婚相談所グッドライフの、秋山です。
おいしい料理と音楽は、人を幸せにする
というコンセプトで、桜新町のサロンでは、いろいろな企画で、人が集まるスペースとなっています。
数年前まで毎月一回定期的にやっていた企画で、デイケア宴会と呼んでいたものがあり、
私の父(昭和4年生まれ)の同級生仲間が、うちで昼間11時から18時ころまで麻雀をやり、
夜はそのまま私の料理で宴会をやり、食事の後は、私のピアノで、みんなで歌うというものです。
とにかく桜新町まで、たどり着かないといけないので、
みなそれを目標に元気でいなければと、日々精進しながら通ってきていました。
みんな目も悪いし、足も悪いし、駅から歩いてくるまでにも、
ものすごく時間がかかる人もいて、麻雀のパイもよく見えないと、
天井の電灯の電球のワット数をあげたものも用意し、
さらに手元も明るく照らしたり、いろいろに工夫しながらの麻雀大会で、
男性って、いくつになっても女性の話ばかりするんだなあ~と笑ってしまうくらい、毎回昔の話をみんなでしながら、
それはそれは楽しそうに、麻雀をやり、
その後は、うちの父も加わり、宴会の始まりです。
父は一年中お燗をして飲むお気に入りの日本酒があるので、
それをさげてやってきて、仲間との宴会は毎回とても盛り上がっていました。
もう奥様に先立たれて一人で何もかも家事をやりながら住んでいるおじいさん
奥様の介護をしながら、毎日大変の想いをしているおじいさん
私の料理はまさに家庭料理で、何も特別は料理ではありませんが、
普段おじいさんたちが家で食べている料理とは明らかに違うようで、
「ここの料理は、いろんな味があって、本当においしい」
と、いつも感激してくれました
みんな入れ歯だし、軟らかめにしたり、私も工夫していましたが、
あえて絶対普段は食べないような若者風の料理もメニューに入れたりしていました。
そんな中で、麻雀タイムでは上手だしとても張り切っているおじいさん
病気で胃をとり、食も細く、お酒も飲まず、宴会時間になるとはじっこで、おとなしくなってしまい、
歌も絶対歌わないという人がいました。
music time になると、
軍歌を歌うおじいさん
演歌を歌うおじいさん
英語でスタンダートジャズを歌うおじいさん
ある日、その絶対歌わなかったおじいさんが、
「玲子さんに伴奏してもらえれば、歌える気がするので、
今日は、麻布中学に入って、初めて習った菩提樹という歌を歌いたいと思います」
と、歌詞も紙に書いてきて、たぶんおうちでだいぶ練習も積んできたであろう様子。
仲間も、あいつが歌うぞ~と大騒ぎする中、意を決して、歌い始めました。
ピアノでうまく合わせながら、なんとか歌いあげ、みんなで拍手喝采。
みんな麻布中学に入学して以来の、本当に長い長い年月を共にしてきた仲間なので、初めて人前で歌った彼を褒めたたえました。
そのおじいさん、それ以来、毎回歌いたい歌の歌詞を自分でよく見えるよう大きな字で紙に書いてきて、
あとからあとからいろいろな歌を歌うようになりました。
それがきっかけで、大きな変化が起こり、
着るものもおしゃれになって、ジャケットにポケットチーフ入れてきたり、
お酒が飲めたほうが楽しいからワインの勉強を始めましたと言い出し、
お酒も飲むようになり、昨日浅草に行ってきたから玲子さんにあんみつ買ってきたよとお土産をくださったり、
その日以来、何かカチッとスイッチが入った感じで、どんどん変わっていきました。
人間80を過ぎても、変われるんだってこと、痛感しました。
このデイケア宴会は、最後は全員起立をし、
私の伴奏で、麻布中学の校歌を合唱して、お開きとしていました。
みんな毎月一回のこの集まりを目標に、生きていたおじいさんたちですが、
まさにおいしい料理と音楽は人を幸せにする
というこのコンセプトにぴったりの集まりでした。