先にぼけた者勝ち

桜新町結婚相談所グッドライフの、秋山です。

私の実家の両親は、父が88歳、母が79歳で、私が住んでいるところから、

バイクで10分ほどのところで、何とか二人で、助け合って暮らしています。

母は、病気を持っており、時々入院することもあり、父は、身体はどこも悪いところがないけれど、

頭が完璧にぼけているので、私は母の手伝いに、毎日通っています。

おつかいをしたり、おかずを届けたり、掃除をしたり、母の愚痴を聞いたり。

 

母は、舅と姑、小姑も同居という大変な家に、19歳で嫁に来て以来、

とても苦労をしながらここまで来た人なので、

 

「人の役に立てることが幸せ」

 

という想いだけで、毎日生きてきた人です。

それが今、自分の病気のせいで、自分の身体が昔のように動かず、

私の世話になっていることが、とてもつらいらしく、

 

「もう少し元気になって、人の役にたちたい」とばかり毎日言っています。

 

母は、昔から、普通の人が一日に1やる間に5はやるくらいエネルギーのある人で、私は生まれ育つ間、

母が昼寝している姿なんて一度も見たことがないし、

具合が悪くて寝ているなんて姿も見たことがありません。

「やっと、普通の79歳の人の程度になっただけだから、そんなに悲観することないって。
世間の79歳はみんなこんな感じだと思うよ。みんなもっともっと怠惰に生きてるって」

と私が言っても、根がまじめな母は、そうは思えないようで、私に悪い悪いと言って、涙をこぼします。

私は、「私があなたに今までやっていただいたことを考えたら、まだまだ100万分の1もお返しができてないよ」と言っていますが。

そんな中、先にぼけてしまった父は大変能天気で、

母が病気だなんていうことも、一瞬で忘れてしまうし、

自分の妻は昔から元気はつらつだったというイメージしかないものだから、

平気で、母をこきつかい、わがままをいい、苦労をかけています。

 

本当に先にぼけたほうが、勝ちですね。

 

母もまじめだから、父に言われたことを、いちいち真に受け、従い、振り回される毎日で、

母は、父より一日でも長く、生きなければ、こんな父を残して先に死んだら、私に多大な迷惑がかかると、心配しています。

 

ぼけた父は、唯一の楽しみがお酒を飲むことで、あんなにすべてのことをすぐに忘れてしまう癖に、お酒を飲むことだけは忘れないというのが不思議です。

 

度を越して飲みすぎると、悪いお酒に変わり、母を攻撃するようなことを平気で言うので、

私は今、父が毎日飲むお気に入りの日本酒を水を入れて2倍に薄めています。

ぼけているので、味音痴にもなっており、薄められていることに気づかず、

 

「あ~ おいしい~」

 

と飲んでいるので、ぼけているのもこういった良い点もあるな、と思っています。

 

本当に年をとるって大変なこと

 

自分もいずれ年をとるのだから、他人事ではありませんね。

世の中にはもっともっと大変な想いをしている人たちがたくさんいるから、

私なんて、親のことでは、まだこの程度で済んでいるのはありがたいことだと思っています。

 

先のことをあれこれ思い悩んでも仕方がないから、その時になってから、考えればいいと思っています。

その時にできる、最善のことをやるしかありません。